城田くん取扱説明書
「いいね、俺もやってみようかな。
あ、ひとりだからいいのか。俺が早く来ちゃ、だめじゃん。」
ははっと笑いながら言う陽太くん。
そんなこと言われたのは初めてで、なんだかどきどきする。
「あ、いや、別に誰かがいたら、だめってことはないし。というか、私がそんなこと決められないし。
…朝早く来るのいいと思う!」
思ったより大きな声が出て、自分でもびっくりした。
教室はざわざわしているせいか、誰も気にはしていないみたいだけど。