kuro


最初は恥ずかしくて死にたかったが、
何回か耳にかけるように
私の髪に指を通す仕草が心地よくて。
少しくろの手に、頭を傾け目を閉じた。


するとくろは
それを待っていたかのように
私の耳の縁を触れるか触れないかの
曖昧な力加減で触ったのだった。




思わず目をあけ逃げようと逆側に頭を
ずらそうとするがいつの間にか
もう片方の手ががっちり私の頭を
ホールドしていた。


私が動けないことがわかると
くろはまた耳に人差し指を
這わせた。



くすぐったい。


くすぐったすぎる。



「....や。」


「んー?」


「いゃ。だっ。 くろっ。
っそれ、くすぐっ..たっ。」


我慢できず声が震える。

それでもくろは曖昧に返事をするだけ。

そのうち耳だけでなく
頬も首も鎖骨も通り出した。



あぁ、これは駄目だ。


このまま雰囲気に流されてしまう。


引きこもりの癖に。


何だか慣れるのが気になる。




そう思いながらも
自分からくろの首に腕を回す私は
年上の癖にダメな大人だと
つくづく思ったのだった。





後日。



「....慣れてた(´・ω・`)」


「そんなわけないよー!

だって僕初めてだもん( ^∀^)」


「!」





おしまい。
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