一番星 -惑星ショコラをもう一粒-




先輩が北海道の大学に通うようになってから、もうすぐ一年になる。

あたしは三年生に、出会った時の先輩の年になるんだ。



はじめは自分勝手な人だと思ってた。

だけど、一番星を探すまっすぐな姿に恋をした。

すれ違って、苦しんで、そして見つけた一番星があるからあたしたちはきっと大丈夫だとそう思えるの。



たくさんのはじめてを彼にもらって、捧げてきた。

そう、たとえば今日だって……。



「なんだかんだで星花の家の中に入ったことなかったなぁ」



初めてのおうちデート、だ。



自分の部屋に彼氏がいる。

家の中には自分たちだけ。



なんか、いいなぁこういうの。

特別ってかんじがすごく……幸せ。



折りたたみ式の机を出して、クッションをふたつ。

先輩の好きなコーヒーとあたしの好きなミルクティーはちゃんと彼が来る前に用意しておいた。

勉強机にひとまず置いてあったそれをセッティングする。






< 2 / 11 >

この作品をシェア

pagetop