一番星 -惑星ショコラをもう一粒-




どれにしようかなー、と心底悩んで先輩が手にしたのはウラヌス。

水色と白のグラデーションがとても綺麗。



「ん、美味しい」

「よかったぁ」



あのね、頑張って電車に乗って買いに行ったんですよ。

そう言うはずだったあたしの口は、先輩によって塞がれた。



「……っんん……ふ、ぁ」



口移しで与えられるチョコレート。

爽やかなライムと濃厚なカカオ……そしてお酒の香り。



そういえば、これ洋酒使ってたよ、ね……⁈



舌が痺れる。

ショコラのキスがあたしも一緒に溶かしてしまうみたい。

甘くて、甘くて……。



「せん、ぱ……っ」



キスの合間に声をかける。

それでも先輩はやめてくれず、ようやく唇が離れたのは、チョコレートが全て溶けたあとだった。






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