天使の贈り物 

3.想い出の時間




居酒屋である「ぬくもりのいえ」を
逃げ出すように後にして
タクシーを一台捕まえると
3人で乗り込む。


タクシーの車内で、
ようやくの思いで連絡先だけを交換して
彩巴ちゃんを見送った。


そのままタクシーは、
俺と晴貴のマンションへと到着する。




タクシー代を支払って、
成実を抱えると、
そのままマンションへと連れ帰った。



玄関を開けて
隣の晴貴の部屋のドアを開けると
アイツのベッドへと成実を横たわらせた。




『晴貴……』




アイツの名前を呼びながら、
小さく体を丸めて眠りにつく成実。


そんな成実に掛布団をかけて、
俺は隣の自分の部屋へと戻った。




ベッドに腰掛けて見つめるのは、
先ほど、交換したばかりの
彩巴ちゃんの連絡先。





何度もその連絡先を画面に映しては、
何もせずに画面を閉じることを繰り返していた。

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