天使の贈り物 

9.再会




「奏介、奏介?」



俺の名を呼ぶ声が聞こえて
重たい瞼をゆっくりと開く。



視界には真っ白な天井。
そして疲れ果てた表情を見せる翔琉。




「翔琉……」

「ったく、翔琉じゃねぇって。

 予約してた通院日には姿を見せない。
 電話は繋がらない。


 気になって押しかけて見たら
 中から物音が聞こえた。

 心配になって管理人に事情を話して
 鍵を開けて貰った。


 そしたらお前は吐血して、
 部屋で倒れてる」


「吐血……?」


「穿孔な。
 奏介、胃潰瘍だったから。

 暫くは、入院。

 いっそのこと、不健康な体を徹底的に
 改善していけ」
< 166 / 178 >

この作品をシェア

pagetop