天使の贈り物 






どれくらい、
その場所に
座り込んでたかわからない。




それでも……
あの日、生き残った命だから……
無駄にすることも出来なくて。






……お父さん、お母さん、お兄ちゃん……。



なんで……彩巴だけ、
今もここに居るの?





彩巴だけ……
こんなにも辛いの?





今日まで十分、
頑張って来たよ。



家族の皆を失って、
一人、残された私。


皆、頑張りなさいって、
そうやって言ってくれるけど……
誰も、もう十分だよって
言ってくれない。





一人残されて、
一人でバイトして、自分を守って
これ以上、
何処をどうやって頑張ったらいいの?




時間だけは過ぎてくけど、
私の傷は……
深くなってるだけだよ。



時が癒してくれるって、
そうやって言ったの、
いったい誰?





全然癒してくれない。




そんな私の時間に、
ようやく……寄り添ってくれる人が
そーすけさんが見つかったって
思ってたのに……。



そーすけさんのことは私は知らなくて、
そーすけさんを知りたいと望めば望むほど、
彼が遠く感じて、寂しくなる。



寂しすぎて……
悲しすぎて……。






みくさんじゃないと、
そーすけさんは救えないの?



みくさんじゃないと
何もしてあげられないの?
< 47 / 178 >

この作品をシェア

pagetop