天使の贈り物 



「私……、
 マスターに逢ったの。
 
 そーすけさんに減滅なんてしてないよ。
 だけど……、美空さんに嫉妬した。

 美空さんに嫉妬してる自分が
 汚くて許せなくて、
 そーすけさんから逃げてたの。

 気が付いたら、プレギエーラで連れていって貰った
 LIVEハウスにふらふらって行ってた。

 そこであったの」

「マスター、
 元気にしてたか?」

「うん。
 元気にしてた……。

 LIVEハウス建て直すから、
 また出て欲しいって……伝言貰った」

「……そっか……」




そーすけさんは、そう言いながら
思い通りに動かなくなったらしい、
自分の指先に、もう片方の手で触れた。




「今、悠生さんのお店
 夜中に練習してるの。

 私も成実にボーカル教えて貰ってるんだ。

 だから……寝不足気味。
でも……充実はしてるよ」



うん。

充実はしてる。



私の知らない過去に嫉妬するだけの
時間ではなくなったから。


それと同じようなことを
感じられる、
共有の時間に生まれ変わってる。




「だ……だから……。

 そ-すけさんにも、
 もう一度、ギター演奏して欲しい。
 
 聴いてみたいよ……。

 CDじゃなくて、
 そーすけさんの生音。

 私の知らない……
 そーすけさんの音を」





言っちゃった……。




勢いで……
炒っちゃった……。
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