黒猫拾ったら、吸血鬼でした。おとしものにはご注意を!
我が家に帰れば、ルインくんが笑顔で出迎えてくれた。なにこれ癒やしの塊か……!



「おかえりなさい。お風呂用意しときましたので、いつでも入れますよ」

「ありがとうね。あれ? 和貴は? いないみたいだけど……」



いつもたいてい烏の姿で寝転がってるか、コーヒー飲んでるかのどちらかなのに。



辺りにそれらしきものはいない。



ルインくんが苦笑する。



「えっと……沙雪さんが出ていった直後、出稼ぎにいってくるって言って、ベランダの窓から出ていきました。すみません」



何故かルインくんが申し訳なさそうに謝る。



「ルインくんは気にしなくていいんだよ? じゃあご飯にしよっか」

「はい。お手伝いしますね」



ルインくんが、何も言わなくても自然に荷物を持ってくれる。



ああもう!



ルインくんをお嫁さんにしたい!!



私が働いて、ルインくんがお家で待っててくれる。なにこれ最高のシチュエーションなんですか! もう誰か私の妄想止めてほしい。


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