生意気な王子様達のいいなり♡


そして来てしまった放課後…


『…』

私はジャージに着替え
グラウンドの隅に突っ立っていた

(うぅ…怖いよぉ〜)

私は全身ガクガクと震えていた

「おーいっ、安藤!」

すると千堂先生が部活着に着替え
手を振りながら走ってきた

『せ、千堂先生…』

「そんな緊張すんなって!」

千堂先生はにっと白い歯を見せて笑った

『は、はい…』

私は小さくうなずいた

「まぁ、今日はあいつらに練習メニューを伝えてくれな」

千堂先生はそう言うと私に練習メニューがついているバインダーを渡した

『あ、こんなに…』

練習メニューに目を通すと外周やらなにやら色々書いてあって結構ハードだった

「まぁ、練習試合も近いしな!」

先生はそう言うが

(試合とか近づくと練習も厳しくなるのかな…)


「「きゃぁぁっ!♡」」

すると女の子達の叫び声が聞こえた
昨日聞いたのと同じ黄色い声…

すると向こうから
サッカー部と思われる男の子達が
1人を先頭にこちらへ歩いていた

その先頭にいるのは
昨日シュートを決めていた男の子だ

「早くこーい!お前らー!!」

千堂先生はみんなに叫んだ

「ウィーッス!」

男の子達は千堂先生に挨拶をした

「ん、この女子誰?」

1人の男の子がひょこっと顔を出し私を見た

「あ、こいつは3年の安藤夏紀!一定期間だけこのサッカー部のマネージャーをしてもらうことになった奴だ!」

千堂先生は私の背中をぽんっと押した

「あっ、えっと…あぁ安藤…なっ夏紀ですっ…よょよろしくお願いしますっっ」

所々噛んでしまったが私はすぐさま頭を下げた

「マネージャー!?マジ!?いきなり?」

男の子達は驚いていた

「そそ!オレ今から出張だからさぁ、みんな安藤と仲良くするんだぞー!」

千堂先生の言葉に私はバッと千堂先生を見た

『せ、千堂先生…出張って…』

私は口をパクパクさせて言った

「オレ出張だから安藤、あとは任せたぞ!お前らもなんかあったら全部安藤に言うんだぞー!じゃな!」

千堂先生はそう言うと急いで走って行った

「あいつ来る意味なかっただろ…w」

男の子達は笑っていた

(ど、どーしよ…)

千堂先生がいないなんて…
私が1人でこの男の子達を…

私はチラッと男の子達を見た

『ひっ………っっ』

全員が私の方を見ていてびっくりして固まってしまった

こんな男の子達だらけの部活を
どうやってまとめればいいのかな…泣

これから始まる
恐怖の時間…

私はひとしずくの涙を流した…
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