空色バルコニー
出会いは突然に
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地面はゆらめき、陽光は依然厳しく、炎天下では全てのものが焼かれていた。
家から一歩も出ない日がいく日もあった。僕は部屋でワイドショーや、撃ち合いばかりで、内容のないカウボーイものや、警官が黒幕の安っぽいサスペンス映画を見て、過ごしていた。

宿題にはまだ何も手をつけていない。
まだ8月の始めだ。

前の日に母が買ってきたフライドチキンを電子レンジであたため、昼食を食べた。ふと中学で習った『椰の実』を口ずさんだ。


名も知らぬ
遠き島より流れよる
椰の実一つ
故郷の岸を離れて
なれはその波に幾月


もうずいぶんと海に行っていない。
海も良いが山も好きだ。
今年の夏は暑いから、清流で泳げばどれほど気持ちいいだろう。
そう考えていると、川の流れる音が聞こえてきそうだった。


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