Dear:大切な君へ。
第一章

出会い


「えー、新入生の皆さん。この度は入学おめでとうございます―――――・・・」




春。




満開の桜が咲き誇る中、ここ海星高校(カイセイコウコウ)の入学式が行われている。




周りを見渡せば、自分と同様に真新しい制服に身を包み、緊張した面持ちで校長の話を聞いている。




「なぁなぁ、お前、成海中(ナルミチュウ)のバスケ部だった安部健斗(アベケント)だろ」




突然かけられたその声に横目でちらりと見れば、真っ黒な短髪に切れ長の目をした奴が嬉しそうにこちらを見ていた。




「俺、明桜中(メイオウチュウ)のバスケ部だった高木蒼佑(タカギソウスケ)!!」




そう言われてみれば、試合会場で何度か見たことが・・・・・。




「もしかして、背番号7番だった?」




そう聞くと、さらに嬉しそうに目を輝かせて、うんうん、と頷いた。


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