煙草味のキス。



社会人2年目の和也は点々と転勤するようになり、もう会うことすらなくなり、時だけが経っていき、


あたしが短大2年目になった時だった。





和兄が結婚した。




そう緑から告げられた。


相手は高校の同級生。

偶然、転勤した場所で奥さんとなる人が仕事をしていて度々会うようになって付き合うことになり、そして結婚することになったと緑から聞いた。




あたしが和也を忘れようと精一杯になっている時に、もう和也は前に進んでいた。



そう分かった瞬間、何かが壊れたかのように和也を頑張って忘れるのをやめた。



和也を忘れるんじゃなくて、和也を好きだった心を忘れることにした。




そして、その後すぐに出会ったのが今の彼氏の太郎ちゃんだった。



7つ上の太郎ちゃんは和也の様な自分勝手な所なんてなく、とても優しくて照れ屋な人だった。


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