煙草味のキス。


沙由の恋を緑が邪魔して、沙由がキレて、緑と口喧嘩。

いつもの流れすぎて反対に新鮮味がなくてつまらない。



「もうさ、そこの2人がくっついたら?」



「そらねぇわ。俺、彼女いるし」



そう、緑には長年付き合っている彼女がいる。

そこも意味が分からないとこなのだ。



「じゃあ、あたしの邪魔なんてせずにその彼女と仲良しこよししてなさいよ!」




沙由が言うことに一理ある。

なんでいつも緑は邪魔するんだろう…?16歳でこの家に引っ越して来て近所のこの2人と出会ってからそう何度思っただろう。



「嫌だね、俺の趣味は沙由の恋の邪魔することだから」



「うーーーーーーーっざい!この性悪糞野郎っ!」



「………」



こんな2人が明後日に成人と言われる式に参加するなんて…似合わなすぎて呆れてしまう。



「もう、緑のせいで話が脱線した!

ねぇ、和子。太郎ちゃんに誰か紹介してって頼んでよ」



「太郎ちゃんのねぇ〜…」



「絶対太郎ちゃんの友達なら紳士みたいな人が多いはずっ!」



「あ、太郎で思い出した。和子、お前昨日見たぞ?

お前家の前で太郎とキスしてただろ?」



ティーカップを持ちながらにやり顔で見てくる緑。



「…最悪」


見られていたとは…。


つーか、緑普通に紅茶飲んでんじゃない。


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