強引男子のイジワルで甘い独占欲


だからこそ、色々ストレートに口に出してしまうんだろうけど。
『いとこに男とられたわけか』とか。

はぁ、とため息を落としてから、それにしてもなかなか食事が運ばれてこないから本当に手伝うかと立ち上がる。
縁側を離れてキッチンの前まできたところで、中から聞こえてきた会話に足を止めた。

「本当に朋絵ちゃんは気が利くわねー。
うちのちとせとは大違い」

どうやら朋絵が手伝ってるらしいと判断して、キッチンに入るのはやめる。
うちの母親の声に続いて聞こえてきたのは、朋絵のお母さんの声だった。

「でもちとせちゃんは要領がいいし、手際もいいじゃない。
朋絵はおっとりしてるから、てきぱきなんでもこなせるちとせちゃんが羨ましいわ」
「そんな事ないわよ。あの子は確かに口先はてきぱきしてるけど、家事だとかはまったくだし。
もういい年なんだから料理くらいはできないと結婚も難しいと思うのに、言っても手伝いもしないのよー。
その点朋絵ちゃんと結婚する人は幸せよね。家事全般できるもの」



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