強引男子のイジワルで甘い独占欲


はぁ、と大きく息をついてから、それくらいおいしかったって事!と怒ったように言った私を見て、眞木がにやっと笑みを浮かべた。

……よっぽど嬉しかったらしい。
こんな風にお弁当褒められたの初めてなのかなと考えてから、友達が少ないという悲しい事実を思い出して、こんな事で嬉しそうに笑っちゃう眞木が可愛く見えてしまった。

自慢げに笑うその顔が憎たらしいほどにカッコよくて、他の女性社員が熱を上げている理由にようやく気付く。
顔がよくて高身長、定職にも就いていて料理上手とくればかなりの好条件なのは確実だ。

わがままで子どもっぽい性格を可愛いって受け入れる事ができる懐の大きな大人の女からすれば、眞木は格好のターゲットになるのかもしれない。
そういえば、秘書課の太田さんが眞木を狙ってるとかって噂を小谷さんから聞いたけど。

あの人は確か眞木よりもふたつかみっつ年上だし、愛想がいいから寛大そうだし、眞木に合うかもしれない。
そんな事を考えながら、食後のプリンのフタを開けて……欲しそうに見る眞木に、次会ったらジュースを奢る約束をさせて半分こして食べた。




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