強引男子のイジワルで甘い独占欲




メロンパンと手作りのお弁当を眞木とトレードした日から、休憩室で眞木と遭遇する機会が増えた。
週の半分以上は一緒になるから、なんとなく一緒に食べるようになって。
いつもコンビニ食の私を見かねた眞木が、どういう親切心からなのかたまにお弁当を作ってきてくれたりするようになったのが二週間前の事。

そこまでしてもらう義理もないしと何度か断ったけれど、その代り私がデザートを用意すればいいと言われて好意に甘えてしまっている。
ひとり分もふたり分も作る手間は変わらない、そう言われてもでもと戸惑っている私にしびれを切らせた眞木は、俺が作るって言ってんだろゴチャゴチャうるせぇな!と半ばキレ気味に言っていたけれど、あの怒りっぽさはどうかと思う。

怒りっぽいというか、自分勝手というか、素直じゃないというか。
あんな押し付けみたいにしたらせっかくの好意が台無しだ。

それにあんな態度でこられたらこっちだって、そんなに作りたいなら食べてあげてもいいけど!っていうスタンスになってしまうのも無理はない。
その代り私の嫌いなにんじん料理は避けてよね!とか注文つけてしまったのだって仕方ない事だ。

私だって強気とか意地っ張りさだったら眞木に負けず劣らずなのだから。



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