毒龍
闇哀華
「あのさ
何で死ななかったの?」

俺はそんなことを口にしていた

だって今思えば本当におかしいことだ

「にてるからじゃないですか?」

振り返りながら笑顔でそういう少年に何が違和感を感じた

にてる?

どういうことだ…

『まぁ、着いたら分かりますよ』

ニヤリと笑ったその口元は開かずにまた頭の中に直接届かれる声

着いたらか……

「て言うか
俺行くって言った?」

「言ってない…
でも私が決めたから…
拒否権は無いよ」

黒い笑みを顔に貼り付けた紅狼に俺は少しだけ怖気付いてしまった




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