手話~僕等のカタチ~

二人の仲




あの日から、1ヶ月が経った。

今は12月。


彼女になんて言おうと考えるけど思いつかずに、時間はあっという間に過ぎていった。

あの日以来、まだ話せてもいない。


閉めきった教室にかかっている暖房に頭がぼーっとする。


「……し、…とし、智っ!!」

「えっ…、あ…悪ぃ。」

「どーしたんだよ、最近…てかずっと!
らしくねぇぞ。」

「いや、大丈夫だから。」

「……そ、ならいいや。それよりさ〜……」


話し始める慎司に相づちを打ちながらも、俺はずっと窓の外を眺めていた。





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