電波的マイダーリン!




哀愁を漂わせながら言うと、伊吹は小さくため息をついた。

と…

年下にため息つかれちまった…orz!!


なんてね。

毎度毎度呆れられてるからもう慣れっこですよ…ふふ…。


「千早さん」

「にゃんだい」

「花梨さんにも、気づかれたみたいですね」

「……うんまあ気にすんでないよ…」

「いいんですか?」

「ま、花梨だからねぇ…。バラすみたいなこと、しないって信じてるし…」


あたしがそう言うと、伊吹は「ふぅん」と何やら意味を含んだような呟きを洩らした。

それが気になり顔を上げる。


…瞬間。










「“俺”は、そんなにいい人じゃありませんよ?」









いつの間にそこに居たのか。

いつの間にあたしを壁際に追いやっていたのか。



両手をあたしの顔を挟むようにして壁につき、座っていたあたしを足の間に挟むようにしてついた膝。


伊吹の…レンズ越しじゃない冷めたような瞳は、あたしを捉えて、離そうとしない。




「なっ…い、伊吹……?」


初めて直に受けた視線に戸惑い、あたしの声は震えてる。





< 129 / 375 >

この作品をシェア

pagetop