北十字学園探偵部
私は宮下に連れられ解放区の中に入った。

すんなりだった。
「こいつは俺のつれだ」
と見張りにいうと、見張りはそれ以上何もいわなかった。

解放区にはかなりの人数がいた。
この階はほとんど授業に使われない。
そのため、解放区には四六時中、誰かしらがいるようだった。


「さあ、入りな」
宮下は小さい部屋に私を招き入れた。
用具いれのような場所で、窓もなく、狭い。そこにソファーが一つ置いてあった。

「座りな」

私は座った。


「先輩、暗くて怖い」

「ここは電気が暗いからな。もっとこっちによれ」

宮下は私の腰に腕を回した。

「先輩、私暑い」
私はブレザーを脱いだ。

はあ、はあ、はあ。
「グヘヘ。可愛いやつだ」

マジで全身にナメクジがはいまわっているくらい気持ち悪かった。

「先輩って、いろんなこと知ってるんでしょ?」
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