北十字学園探偵部
私たちは、しばらく時間をおいてから、松夫を保健室に連れて行った。
ブラッククラウンはすでに引き上げていた。


私とのぞみは部室に帰った。


「先輩のいってた人って」

「ああ、あいつのことだ」

「今でも好きなんですね」

「自分ではよく分からない」

「私には分かりましたよ。いつかいってましたよね。バックヤードユニオンを必ず潰すって」

「ああ、バックヤードユニオンさえ潰せば、あいつは目を覚ますと思った。信じないかもしれないが、土屋はああなる前は、よく笑い、よく話した。楽しいことを俺に沢山話してくれたんだ」

「先輩、このまま帰ってもいいんですか?今なら間に合うかも知れませんよ。土屋さんがあんな状態ってことは、他の幹部もやられているはずです。今日でバックヤードユニオンは解散はしないかも知れませんが、力は弱まるはずです」

私はのぞみを見つめた。

「今、俺はどうするべきなんだろう」

「分かってるはずです。今しかありません」

「今しかない。そうだな、今しかないんだな」

そういうと、のぞみは保健室に走っていった。

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