【完】こいつ、俺のだから。
このままだとお前は……
またあいつを想って、ひとりで泣いて、辛い思いをするだけだろ?
そんなのダメだ。
そんなこと、させてたまるか。
……俺はただ、お前の笑顔が見たいだけなんだ。
「佐野?」
突然立ち止まって振り返った俺を、不思議そうに見上げるこいつ。
勝算なんてない。
まだ約束のときがきていない。
タイムリミットがきたら言うって決めてた。
〝好き〟って言葉と、3つ目の願い。
俺を本物の彼氏にしろって、偉そうに、上から目線で言うつもりだった。
だけどまだ、お前は俺を見てくれない。