【完】こいつ、俺のだから。




「別に付き合いたいからって告白したワケじゃないんです!どうしてもこの気持ちを伝えたくて……。

前から中原さんの可愛い笑顔に、惹かれました」




……!!


そんな真っ正面から惹かれていたとか言われると、さすがのあたしも照れてしまう。



「……あ、ありがとう、ございます……」



純粋に嬉しくて、お礼を言うことしかできない。



「いえ」



ニコッと笑った彼は、とても優しい雰囲気のある人だった。



絶対にこの人の方が笑ったら可愛いと思うんだけど……!




「あの……もし迷惑じゃなかったら、僕と友達になってくれませんか?」



おずおずと彼から遠慮がちに差し出される手。




……もちろんですっ!



その手に向かって、喜んで手を差し出そうとしたときだった。





「ダメ」




突然、あたしの体はふわりと後ろから抱きしめられる。



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