引き籠もりの双子の姉を救った俺。
「さーて、ご飯作るわよー。
7時には食べに来てね」
お母さんがキッチンへ向かってく。
今は6時過ぎなので、
お母さんは、夕食の仕込みをしてから
買い物に出かけたのだろうか?
広樹も、お母さんを見送ると、
靴を脱ぎ始める。
「広樹、ありがとう」
「なんで?」
私は、こんな姉なんかと仲よくしてくれた
広樹に感謝を伝えたつもりだった。
「私、変わろうと思う」
「まじ…!?」
「…まだ、外に出るのは、怖い。
だから、もう少しだけ…待ってくれる?」
そう言うと、広樹は深く頷いた。
やっぱり引き籠もりは
そう簡単にはやめられない気がするけど、
でも、このままじゃダメなんだ。
私はさっき噛んだ舌の痛みを感じて、
少し俯いた。