引き籠もりの双子の姉を救った俺。
由紀は俺に近づいてくる。
「広樹くん今の、見た?」
「たぶん」
バッチリ見たから、なにが多分なのか
よく分からないが…。
「あのね、あの人この前言ってた
私のお兄ちゃんなんだ。大学生の」
「へぇ、そうなんだ」
…少し、ホッとした気分になる。
「昨日、イブだったじゃん?
お兄ちゃんがうちに来て、
家族で過ごしたんだ。
クリスマスは忙しいからとか言って。
泊まってったから、
ついでに駅まで送ってもらったの」
そんな風に フフ、と笑う由紀は…
美人だし、可愛いから、
目立ってる。
駅前を歩く人たちから、
チラホラと視線を浴びているが
全く気付いてない模様。