引き籠もりの双子の姉を救った俺。




「いいえ〜」




ニコニコと微笑む由紀。


その笑顔はとても優しくて、


一瞬不安が過る。




それをかき消すように首を降った俺は

少し仏頂面で、
新たなモニュメントを付けていく。




そんな俺を他所に、
由紀は今の出来事を当たり前のように
流して、こう言った。




「ツリー、駅前の、
暗くなったら綺麗だよね」



「そうだな。
見に行こう」



ツリー。

そうだ、駅前のツリーのとこで、
言おう。決めたこと。


それで、やっと、“解放される”。





< 135 / 263 >

この作品をシェア

pagetop