引き籠もりの双子の姉を救った俺。
「お邪魔します。
私、広樹くんの、
その…あ、同じクラスで、
柳田由紀っていいます」
律儀そうに頭を下げて、
相沢家に訪れた彼女。
名前を、ヤナギダ ユキと名乗った。
「ど、どうぞ」
─────由紀。
聞いたことのあるような
響きだったけど思い出せない。
手入れの行き届いてるであろう
童話に出てくるオヒメサマのように
艷やかな髪を、
お洒落なドット柄のシュシュで
サイドに束ねている。
化粧っけはあまりなくて、
それこそ童話の白雪姫のような赤い唇が
印象的だ。
一目みて、可愛らしい美人だと
いうことが分かった。
こんなに端正な顔立ちの女子高生、
雑誌やテレビでも中々お目にかかれない。
そのヤナギダさんは、
片手にコンビニのレジ袋を提げている。