引き籠もりの双子の姉を救った俺。
「広樹の部屋は、ここです」
広樹の部屋の前まで案内し、
私は一応ノックして、
特に反応を待たずに、扉を開ける。
「由紀?」
広樹はりんごをムシャムシャ食べていて、
私の後ろに立つヤナギダさんを見て
嬉しそうな、顔をした。
「じゃあ…」
「ありがとうございます」
立ち去ろうとすると、
ここもしっかりお礼を言われて、
いい子だなぁ、と思った。
…いい子って何様のつもりだ私。
私は部屋に逃げるように戻った。