引き籠もりの双子の姉を救った俺。






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「広樹くん、あたし、好きなの…」




11月の中旬。



学校では、衣替えを終え、


男子は学ランを着て、
女子はカーディガンを羽織り、


すっかり冬を迎えようとしてた。




そんな、ある日の放課後だった。




「広樹くん、お願い。
あたしと付き合ってください」




俺は、放課後の教室に呼び出しを受けた。



典型的な感じの告白だった。


こんなのは、今までにもされたことあったし、
いつもなら、迷わず断ってただろう。



けど、スカートの裾をキュッと
愛らしく掴み、


恐る恐るこちらの様子を伺うこの子。






「由紀…」




由紀は、友だちだった。





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