引き籠もりの双子の姉を救った俺。





由紀と付き合い始めて
一週間ちょいが経った。




由紀は可愛いことで有名人なので、
学校内で俺達が付き合った、という話題は
意外と騒がれた。



同じクラスなので、昼休みと、
あと放課後などは由紀と過ごすようにしている。




11月もそろそろ終わりを迎えるので、
由紀は寒いと言い、手を繋ぐことが増えた。



でも、それ以上はしてない。






「広樹くん、最近悩んでる?」




放課後、俺達は一緒に帰っていた。



寄り道をして、駅前をフラフラ歩いている。




駅前は冬ムードで、


クリスマスツリーがそろそろ展示されるね
とか、明日からマフラーしてこよう、
とか、たわいない話をしてた。



「なんで?」



ギクリ。



母さんから美穂と仲良くしてくれ、
と頼まれたことに対して、
少し考えることがあった。



どうやって仲直りしよう、とか。
そもそもどうやって話そう、とか。



元々、仲直りしたいとは思ってたけど
性格が難曲した美穂だからなあ。




「愛のパワーかな?」



笑いながら、冗談だよ、と言う由紀。


…すっげー可愛い。





「まぁ、悩んでるっちゃ悩んでるかな」





照れ隠しで口をへの字にした。




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