紙ヒコーキ~思いを飛ばせて~
「ふぇっ…ヒック…」

「ごめん…ごめんな…」

先生の手が私の頭を優しく撫でる。

目をつぶった私に、先生は、額に優しく口付けた…。

『あの時』みたいに、雑な扱いじゃない。

狂ってしまいそうな優しい口付け。

「せんっ…せぇ…」

私は好きと言う言葉を飲込む。

教師と生徒──。

超えてはいけない一線が、

私と先生の間にあるんだ…。

でも…好きでいるのはダメ…?

言葉で伝えなかったら…好きでいて、良い?

この唇が『好き』を言わないでいて…。

思うだけ…。

好きでいさせて…。
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