リトライ。


こんな抜け殻のような私を見て、前の私を知っている人たちはどう思うだろう?

好きなこと、趣味、特技。


何もかも胸を張って言うことが出来ない。

ダメな私。
何をするにも中途半端だ。


「はあ……」


深くため息をつくと共に、朝の授業は始まった。


「皆さん、そろそろ学校に慣れて来た頃だと思いますが……どうですか?高校生活は」


先生は問いかける。


少しずつ周りと話すようになった。

友達もしっかりいるし、勉強も今はなんとかついていけている。

それでも何か足りていなかった。

授業を受けて友達と話して、放課後になったらまっすぐ家に帰る。

憧れていた生活であるのに、実際にそう過ごすとひどくつまらない。





< 28 / 266 >

この作品をシェア

pagetop