first love~世界で一番素敵な初恋~



彼女の口から出てきた言葉は全く俺が想像しなかった言葉だった。
それは白樺学園に戻るつもりはないという答えと捉えてもいいのだろうか。


「……西園寺、アップがまだなら一緒にやる?」


いつも俺に反抗的な態度しか取らない唯那が急に人が変わったように俺に対して言う。


「あ、勘違いしないでよ。2回戦敗退した時、アップしなかったことを理由にされるのが嫌だから誘っただけだから。」


いつもと違うと思えば、またいつもの唯那に戻った。
俺は全国大会だからといってアップをするわけではないが、珍しい唯那の誘いに乗らないわけがなかった。


「しゃーねーから付き合ってやるよ。
アップしないで下手な試合見せたらお前に何言われるか分からねえからな。」


と、俺も俺で反抗的なことを言ってしまうのだが少しは唯那に近付けてると思う。


まだ俺のことを思い出さなくてもいい。
今は俺のことを少しずつ知って今の俺に惚れさえすればそれでいい。


俺は何があってもお前を離さねえ。
誰が何と言おうと唯那は俺の婚約者だからな。

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