first love~世界で一番素敵な初恋~
まぁ、普通に考えたらモテるよね。
学校でもあんなに女の子から騒がれて、コンテストの人気投票も圧倒的な1位だったし……
「そんな彼があなたのことを12年間も想っているのですから、一途としか思えないんですよ?」
……………え、12年?………そういえば私の家に来た時も12年前に婚約者に渡したって言ってたような…………
でも、私にはその記憶がない。
「でも、私にはその記憶がないから。きっとそれは私じゃないですよ?」
西園寺が想い続けてる女の子は私じゃない。
きっと、別の女の子だ。
その女の子がもらった指輪を私が持っているだけで、西園寺が好きなのは私じゃない。
「いえ、龍我様が想い続けてる相手は唯那様で間違いないです。
それは指輪だけではなく、龍我様自身が唯那様と過ごした時間が確かな証拠なのです。」
西園寺と過ごしてきた時間…………?
「では質問いたしますが、何故あなたを西園寺家に連れてこられたと思いますか?」
私が首を傾げているのを見ていて神谷さんが私に質問をする。
西園寺が私を西園寺家に連れてきた理由…そんなこと、今まで考えたことがなかった。
でも、それって婚約者だからじゃないの?
心の中で色々と考えてみるが、言葉に出せるような答えが出てこなかった。
「難しい質問でしたね。……質問の答え、それは本当の婚約者か、龍我様自身が確認する為でございます。」