馬鹿者。コッチを見なさい!!



「えー?なんで?
いいじゃん別に。なくなるもんじゃないし」

そういう問題じゃないよ。


「なんか嫌だから。」


すると田中は一瞬寂しそうな顔をした。






「なんで学はアタイにドキドキしないの?」



は?





何行ってんだ。






「アタイは学みたいに
こんなに可愛いアタイが目の前にいるのに落ちない男は初めて見た。」







真顔。








こいつは……




なんでこんな自意識過剰なんだ。






よくまぁヌケヌケと言えるもんだ。






「ドキドキなんかしたことねぇよ。
第一どこにドキドキする要素があるんだ?」






「アタイのウルトラスーパーキュートに顔見て興奮しない?」






殴りたい。
すっげえ殴りたい。






「誰がお前なんか見て興奮するか!」






「なんで?!
普通興奮するでしょ?!」







真顔。






じゃあ俺は普通じゃないとでも?!


「じゃあ、学はどういう時にドキドキする?」






ドキドキする時?







「解けない問題が出て来た時」


うん。
ドキドキする。



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