【Vt.短編】私のカレは可愛いのです。
今日はホワイトディーのデート。
近々ある弓美の誕生日も兼ねて、少し気取ってフランス料理を食いに行く。
予約した時間までまだ余裕があって、喫茶店で待ち合わせだ。
だけど“プレゼント”はそれだけじゃなくて……
テーブルに置いた箱を見下ろし、俺は再び溜息を吐いた。
蓋を開ければ、彼女に似合う薄水色の石の付いた指輪がある。
アクアマリン―――彼女の誕生石。
ホワイトディーのお返しか。
誕生日プレゼントか。
……それとも。
掌で顔を覆って呻いた。
いやいやいや。
今すぐ結婚しろとか言うワケじゃない。
四捨五入したら三十路になる俺と違って、弓美はまだ23なワケで。
考えたコトもナイ年頃だろ。
てか、まだ付き合って四カ月で、勇み過ぎだろ。
でも、もしこの先俺が結婚するとしたら『彼女』なんだ。
彼女しかいない。
そう思ったら
そう思った事を彼女に伝えておきたくなった。
…て、やっぱ重いか。
イイ歳のオジサンが、若い女の子に『捨てないでっ』と縋ってるようで、……ミットモナイ。
や、でもそれミットモなくても現実だからね……。