たとえ僕が消えても。



返事がこなくなってしまったので、イル王子は続けました。



「私はあなたよりもっと醜いものを知っています」




たとえば、絵本で見たことがある悪魔の姿。


それは、人間に似た形をし、肌が紺色。

目は赤く、とがった耳を持つ。

裂けた口には鋭い犬歯を持ち、頭部にはヤギのような角を生やしている。

長い爪の付いたコウモリのような翼に尻尾、そしてかかとがない足を持つ……




イル王子は言いました。



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