【続】三十路で初恋、仕切り直します。
「無理って、なんで?」
「なんだよ、サービスしてくれる気満々なのかよ。有難い話だな」
「だったらどうぞ有難く受け取ってくださいっ、……がんばるから」
恥ずかしくなりながらも言うと、意地悪な顔をされてしまう。
「じゃあ遠慮なく。おまえさ、俺に立ったままヤられるのと縛られるのとマットで遊ばれるのと、何がいい?どれでも好きなの選べよ」
困った顔になった泰菜を見て「嘘だよ馬鹿」と笑う。
「……もうっからかわないでくれる?人が折角……」
「からかってねぇよ。少しも興味ない、ってわけでもないしな」
しれっと意地悪な顔で言われて「ヘンタイ」と言い返すと、そんなやりとりすら愉しそうに法資が笑う。
「でもいちばんしてみたいのは今日は無理だから。残念だけどまたの機会によろしくな」
「……だからどうして無理なの?」
そんなすごいことをしたいと思っているのかと内心恐々となりながら、したいと思っていることだけでもおしえて、とせがむと。
「子作り」
ひっそりと耳元でささやかれた。いたずらっぽく笑んでいるけれど、目には冗談の色がない。
「……こづくり、ですか」
たしかに今はまだ無理だ。というかこの人はなんではずかしげもなくこんなことが言えてしまうんだと呆れるような、ある意味感心するような気分で自分に覆いかぶさっているひとの顔を見上げる。