狛犬に好かれました。

***



ゆっくりと目を開けるが、まだ視界がぼんやりしている。



何かの重みを感じると、そこには真っ白な布団が掛かっていた。



「起きたのか」



突然の声にぴくっと体が震えた。



声がする方に顔を向ける。



銀髪に獣の耳。

大きなシッポ。

しかも袴姿だ。



畳に寝っ転がるその姿は随分と寛いでいるようだ。



「誰?」


「狛犬」


「んなわけないでしょ!耳付いてるちっちゃい2人は?」


「だから、俺」


「………」



コイツと話していても埒があかない。



仕方ないので探しに行こうかと上体を起こす。

すると、その銀髪男が寄ってきて、私の元に腰を下ろした。



にやりと不気味に笑みを浮かべる。


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