続・雨の日は、先生と
同じ布団の中に先生と一緒にいる。
そんなありえない状況。

背後に、すぐ近くに先生を感じて、振り返ることすらできなくて。


すると、するりと腕が伸びてきて、私はすっぽりと包まれてしまう。



「こっち向いて。」


「無理、です。」


「何で。」


「だめです。」



こんな顔見られたら困る。
先生に呆れられてしまう。



「キスできないから。」


「尚更だめです。」



先生が、こんなふうに甘える人だなんて知らなかった。
こんなにも魅力的だなんて思わなかった。


すると、先生の手が……。



「せ、先生っ!」


「先生って呼ぶな。」



その口調に驚いて、思わず先生を振り返る。

その途端に、唇を寄せられて―――



「唯に誘われた。」



都合よく私のせいにした先生。

その日、私はついに、本当に先生のものになった―――
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