ドロップ缶
一章



チチチ


「んん」



まだ、薄暗いながらも鳥のさえずりに、目を覚ます


眠気に耐え、もう朝だと理解した



まだ、半分夢の中で制服に着替え一階に降りると電気をつけてキッチンに行く



だしをとっていた昆布を取り出し味噌汁と玉子焼きを作る


大きいのと小さい二段の弁当に残り物や冷凍食品をつめ、炊きあがったばかりのご飯を最後によそう



明るくなってくる頃、父さんが新聞をもってリビングに入ってきたのを合図に味噌汁を温めて、ご飯を茶碗によそう




ちょうど新聞を読み終わった父さんの前に今日の朝食をだし、
二人して食べる



この間父との間に会話は少ないが父も私も口数が多い方ではないので決して仲が悪いわけではない




食べ終わった食器をかたづけて



ネクタイを、締めた父を送り出して私も学校の支度をする




静かな家に行ってきますといって出るまでが私の毎朝の日課だ

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