とびっきり、片思い。



どうしようもない、このムシャクシャした気分を取っ払ってしまいたい。



早くこの世界から抜け出したーい!



でも、どうやったら抜け出せるのかな。



最近は、9月下旬にある体育祭の練習を放課後にも頻繁に行っていて、校庭の半分で女子は披露するダンスを、もう半分では男子が組体操の練習をしていた。


今日も放課後に練習があり、休憩中に森りんと2人で校庭の端に座って話しをした。



「最近、活動の方はどう?」



いつものようにさらりと聞いてくれたけど、私はどう答えようかと躊躇した。



「うーんとね、……微妙かな」

「そうなんだ。何かあったの?」

「あのね。演劇は、一端やめようと思うんだ」



たとえもう二度とやらないとしても、今は一時休止と言っておきたかった。


森りんの目が大きく開いたのを見て、そんなにビツクリしたのかなと思った。


少しの間を置いて、「そうなんだ」と言って森りんは目を伏せた。



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