とびっきり、片思い。




それから2日が経った。


放課後、部活の前に中田が待つ体育館裏に行った。



「好きだって言ってくれてありがとう。だけどごめん」



この瞬間を迎えるにあたり、何度も心の中で練習した“ごめん”の3文字だったけど、上手く伝わっているか分からない。




「私にとって中田は友達だから。
だから、これからも良い友達でいられたら嬉しいな」


彼の顔を直視できなくて、足元のアスファルトを見て話していた。



「そっか」と、頭上から小さく届いた声に力はなかった。




「やっぱ、そうだよなぁ。そう言われると思ってたんだ」




ゆっくりと顔をあげると、中田は口角を上げて言った。




「よくよく考えたら俺って馬鹿だわ。受験期に告る方が悪いよなぁ」


「…っ」


「じゃあ、これからも今までどうりでいてくれるか?」



私は、頷くことが精一杯だった。



顔をあげたら、嬉しそうに笑っているから、つい疑ってしまいそうになった。


浮かべているのは、心からの笑顔なのかな。


それとも、私を安心させようとして頑張って向けてくれているものなのかな。




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