弱き者の挑み

1round

寝ても覚めてもサッカーをしていた。
周りは恋愛、軽い悪さに気が向く。僕は頭は良くなくて授業もよくサボる。テストは休む。そのくせ部活だけは必ず出るといった生徒だった。決して不良少年ではない。サッカー少年だった。
その時の僕はサッカー選手になれると本気で思っていたし実際に後に海外でデビューする事になる。がそれは後々に。
僕が何故にブレずにサッカーに打ち込めたのかは僕自身が夢中だった事は基本にあると思うけど家族や友の存在は欠かせなかったと思う。これは後になって気付いた事ではあるけど、良き理解者が近くにいてくれる事で僕は迷う事なく一つの物事と向き合う事が出来た。いつでも僕の話に耳を傾けてくれる存在、時に意見し僕にアドバイスをくれる。僕には特別な友がいた。親友と呼べる友達だ。
彼と一緒にプレーする事が僕は何より安心し信頼し僕の仕事をする事が出来た。
これは中学生だった頃の僕の全て。
サッカーと友と過ごした三年間。
僕は頭は相変わらず追い付けなかったがサッカーの実績が評価され全国大会で優勝もした高校から誘われた。
でも僕は行かなかった。
行けなかったの方が正しい表現かもしれない。
親友から高校で一緒に全国制覇しようと言われたその言葉はどこぞの有名な高校のスカウトよりも心に響いた。
人は心で動くんだと僕はその時に親友から教わったんだ。
僕は動かされたんだろう。
それは自分自身が望んでいた結果だった。
そうして短くも熱い中学生活が終わり親友と共に高校へ進学する事となる。
後日談だが僕も親友も全くもって試験は話にならなかったがお互いにサッカーの実績を評価されギリギリすり抜け合格。

一つだけに時間と労力を費やす事が出来ればその一つがいざとなった時に救いになる。

場合もあるようだ。
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