JUNK LAND【→】

男にとって、全てが虚像であった。
まるで空間に自分だけが居るかのような……

脳が思考を開始すると、世界が自分を中心にして動き出し構成されて行くような錯覚にも似た感覚があった。

時には気分的に自分を心の中で戒めて見たりもするのではあるが、現実はやはり男の味方をした。

無論、本人が勝手にそう思っているだけである。
しかしそう思える程に考えた通りに物事が動き世の中は回って行く。

他者に“我が儘”や“勝手な男”と感じさせる事もなかった。

男の狡猾さはそれすら巧くコントロールし、器用に生きていた。


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