JUNK LAND【→】
吉行は、
詩織の中に宿る命が彼を見違えるまでに変貌させていた。
途端に現実と真実を“感じられる”きっかけになった小さな命。
狡猾で器用な男の殻を脱いだ時、益々良い男として詩織を惹きつけていた。
「詩織、体調が悪いんじゃあないか?顔色が冴えないけど……気分のいい時に話があるんだ」
「大丈夫だよ。つわりも酷くないし……」
詩織は依存する身体の制御が利かぬまま、ずるずると泥沼に足を取られていた。
性欲と薬物の依存と云う悪魔が、無知なお嬢様の心に恐怖と欲求を交互に与えるのである。
「詩織、式を先に挙げよう。結婚して家庭の“形”を築くんだ」