ホルケウ~暗く甘い秘密~


人間は、憎しみにとらわれたらどんな残酷なことでも出来る。

りこを傷つけたところで、上原との関係が元に戻るわけではない。
そんなことは、香織とて百も承知である。

ならば、もう元に戻ることが出来ないのならば、いっそすべて壊してしまえば良い。

そう結論付けたからこそ、香織は吹っ切れたのだ。


「痛めつけてやりたいの、あの女を」


香織の真っ黒に濁りきった瞳を、星屋は楽しげに見つめた。


「任せてよ。学校に来れないどころか、死ぬまで苦しめてやるわ」


どこか冷めたような感覚のまま、星屋はそう呟いた。

石田と森下に春山りこをレイプさせよう。

そう持ちかけてきた時の香織の瞳を、星屋はまだ鮮明に覚えている。

それぞれの思惑が入り混じったその計画は、着々と水面下で進められていた。




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