十五晩瞳の奇跡
まさかとは思いつつ、好奇心に駆られた私は人差し指と親指でルビーを挟み込み、置物の瞳に翳してみた。

店はオルゴールの音以外にせず、店員さんも出て来る気配はない。

この兎にも、オルゴール仕掛けがあったりするのかな?

ルビーを瞳に嵌め込んだ瞬間、


カチャッ



小さな音が鳴り、辺り一面紅い光に包まれた。



「何!?」


地響きが起きたかのような揺れと共に、足元がひび割れていた。


「ひゃっ!!」


手を伸ばすことも虚しく、真っ暗な穴にそのまま落ちていった。
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