【完】人形達の宴~通りゃんせ~


「どうした?結衣」


数歩歩いた所で立ち止まった私に気付いた諒ちゃんも、同じように立ち止まると私を振り返った。




そんな諒ちゃんに気がついてはいたけれど、でも私の視線の先は先程目にとめたただ一点のみ。


そこを、ただただ私は見つめる。




視線の先、そこにいるのは---





「木崎さん…」



瑞希の彼氏である木崎さんが、道端に立っていたのだ。


まるで誰かを待っているかのように---




電柱で腕を組み寄りかかっていた木崎さんが私の声に気付き、私の方に視線をよこしてきた。


そして---



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